鮮やかすぎるんだ



「…っ。」

「やあ、こんにちは。」



「あ…おう。」


驚いた。

何がって部室のドアを開けた瞬間、
振り向いた古泉が。


あんまり綺麗に笑うから。




いや、男に綺麗だなんだってな表現はどうかと思うし
普段なら端正な容姿にむかつくの一言を
理不尽と自覚を持ちながらも浴びせているのだが。


今日は不思議とそんな気にはならなかった。

それくらいさっきの古泉の笑顔は素直に幸せそうで。



本当に綺麗だとすんなり思わせた。




「どうかしましたか?」

「いや、たいした事じゃないんだけどな。」




そして俺は普段だと考えられない言葉を思ったままに口に出していた。


「綺麗だな、お前。」

流石に面食らったらしく、また珍しい顔をした。

こっちも驚くじゃねえか。



「何だよ。聞き慣れてるだろ、こんな台詞。」



「あなたから言われるのは初めてですよっ!」



慌てて返す声音も初めて聞いたな。
あ、笑えてきた。



「じゃ面白いから時々言ってやる。」

「…あのですね…。」



「…理性切れたら責任取って下さいよ。」


は?




END


天然キョン。
別に付き合ってないです。


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